WX5の保守

　生管楽器や、繊細なタッチセンサーを使用するEWIに比べるとWX5の取り扱いは簡単ですが、電子機器には禁物の水分を含む息を始終吹き込んでいるので、その周辺のケアは必要です。

• 使い終わったら、本体、マウスピース・リード・息の出口（本体下）周辺の水分をふき取りましょう。
• 時々、マウスピースとリードをはずして水洗いしましょう。長期間放っておくと、歯垢(？)がこびりついてとれなくなりますし、夏場はカビが繁殖します。除菌スプレーやエタノールを使わないでも水洗いだけで充分です。たまになら良いですがあまり頻繁にエタノール洗浄するとゴム・プラスチックの劣化を速めます。
• WX5本体のマウスピースをはめる部分のゴムに付属のクリームを塗りましょう。塗らないと、マウスピースがとてもはずしにくくなり結果的に無理矢理力をかけることになりリップセンサーを曲げてしまう原因になります。付属のクリームを紛失した場合は楽器店で売っているリコーダー用グリスが使用できます。
• 演奏前には水以外の飲み物は飲まないようにしましょう。糖分その他が内部に蓄積します。本体内の掃除はできないので。
• 息の吹き込みが強くマウスピース周辺から息（とヨダレ）をもらしがちの人や、下部息抜き穴から出てくる水分の対策はコチラ参照。

　お手入れ時の注意　

• マウスピースをはずすときは、リップセンサー（マウスピースの中の金属棒）に力がかからないよう慎重に行いましょう。
  
• お手入れ中の本体は、椅子の上など落下の危険あるところには置かないようにしましょう。マウスピースを外しているときに本体を落としてしまいリップセンサーを曲げてしまったという報告が多数あります（修理代約１万円！）。わかっていてもうっかりコードに手を引っかけたりして落としてしまうものです。

リード裏面がえぐれる問題

　タイトリップ奏法でピッチベンドを使いまくっていると、金属製のリップセンサー先端がプラスチック製のリードを削って、リード裏面がだんだんえぐれて来ます。写真右は私が６ヶ月使用後の様子ですが、ここまでくるとセンサーが引っかかってスムーズなベンドコントロールが出来なくなります。

　これを防止するにはえぐれる前にあらかじめリードに丈夫なテープを貼っておくと良いです。（上写真左）テープはあまり厚くて硬いものだとリードの曲がりを阻害しますので、うすくて曲がって表面が硬いものが良いでしょう。写真はDIYショップで売っている、台所の目張り等に使う薄い銀色のテープを切って貼ったものですが支障無く演奏できます。

　不幸にもえぐれてしまった場合、とりあえず上記のテープを貼ればごまかせますが、新しいリードを購入するほうが良いでしょう。（私自身は結局テープを張るのが面倒くさくなって、現在では削れたら新しいリードに換える、というかたちに落ち着いています）

WX5の補修部品

　リードは「補修部品」扱いで購入することが出来ます。WX5を販売している店に「WX5のリード1枚」と注文すれば遅くとも１週間あれば手に入れることができるでしょう。

• WX5 リード
  部品コード：V2007900　360円/枚

他の部品について

• ＷＸケーブル　￥２６８０（長さはWX5付属のものと同じ）
• 各キー　各数百円程度、セットではなく１種類づつ購入可能。

　オクターブキーは使用頻度が高く負荷がかかるキーのため、数年使用で破損したというケースが報告されています。他のキーの破損例は聞きませんが万が一折れてしまってもそれぞれのキーを単独で購入して自分で修理が可能です。→WX5の分解手順はコチラ参照、オクターブキーの交換修理方法はコチラ参照。

　また2003年2月現在、WX5以前の機種（WX7、WX11）についてもリードその他の部品の購入はまだ可能です。WX7のリード１枚160円、マウスピース840円（ゴム無）だそうです。（情報感謝：きみょおさん）。お近くの楽器店かヤマハに直接お問い合わせください。

WX5 workbook

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